コウヤボウキ
アカマツ林などの明るい林に生えるキク科の落葉低木(らくようていぼく・文字通り時期が来るとイチョウやモミジのように葉が落ちる背たけの低い木)。
高さ60~90センチ。生えて1年目の枝には卵形の葉が互生(ごせい・葉がたがい違いに生えること)し、2年目には1年目の葉がついていた場所に数枚の細長い葉が生えます。9~10月に白や薄い紅色の花が咲きます。
漢字では高野箒と書き、文字通り高野山(こうやさん・空海<くうかい>の金剛峰寺<こんごうぶじ>でおなじみの和歌山県の山)でほうきの材料にしたことからこの名がつきました。またの名をタマハバキといいます。よく見れば花がほうきの先のような形をしているような気がしますが。
このコウヤボウキについて、「初春の 初子<はつね>の今日の 玉箒<たまはばき> 手にとるからに 揺らぐ玉の緒」という大伴家持(おおとものやかもち・奈良時代の政治家)が詠んだ短歌が奈良時代の歌集「万葉集(まんようしゅう)」にあります。 (昔の暦で)正月の子<ね>の日の今日にいただいた玉箒を手にとっただけでゆらゆらとゆれて音を立てる玉の緒よ、という意味です。そしてここにでてくる玉箒は長寿を願う縁起物です。新年のおめでたい気分をよんだ歌ですが、これからは正月といえばおせち料理、かどまつ、初もうでのほかにこのコウヤボウキも思い浮かべるかもしれません。
正月と書いたのでついでに。2013年12月19日に里山カルチャー教室として、正月の飾りづくりをなみ滝藤原園にて行いました。植物を使って自分の正月の飾りを作っていつもと違うお正月を楽しむ、というものです。(特に秋は木の葉が赤や黄色に変わり、いろんな色が楽しめます。私はいつも眺めていますが、いい景色というほかありません。春や夏、冬の景色もよいので、今後も里山カルチャー教室へのお越しをお待ちしております)この里山カルチャー教室ではこけ玉づくりや草木染め(2013年11月21日に行ったが、ヤシャブシの実で布を染めました)など自然を学び、楽しむいろいろな行事を行います。くわしくはこのサイトのホーム「一般:里山カルチャー教室」をごらんください。