サルトリイバラの実

山野に生えるユリ科のツル植物で多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでのいわゆる一生が2年以上の植物のこと)。

漢字で書くと猿捕茨。やぶの中でとげのあるつるがからみあい、猿もからまってしまいそうなことから、この名がつきました。実際なみ滝藤原園内のサルトリイバラもとげは動きを阻まれるようです。(動きを阻まれるのは猿や人間だけではないでしょう)

葉は先が小さくとがり、卵のような形で長さは3~10センチ。互生(ごせい・たがい違いに生えること)し、まばらにとげがあります。また、葉から巻きひげが出る特徴もあります。この葉はカシワという植物の葉の代わりに、かしわもちを包む葉として知られています。

夏のはじめに黄緑色の花が咲き、その後はまるい実がなり、秋に写真のように赤く熟し、食べられます。実は生で食べられますが、酒につけて果実酒を作って飲む味わい方もあります。この実は初夏、なりたての時は緑色をしています。(サルトリイバラの項目参照)秋の赤く食べられる実もいいですが、緑色の実も見るには美しいと思います。秋の赤い実も初夏の緑色の実もそれぞれ魅力があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

ちなみに初夏(5~6月)につるの先や茎に出た新芽をゆで、よく水にさらしてあくを抜き、あえものや炒めものにして食べます。私もこのサルトリイバラで包んだかしわもちを食べたことがあり、この植物を見るたびに、あのあんもちを思い出します。酒はまだ飲んだことがありませんが。サルトリイバラは子供はかしわもち、大人は酒、というようにそれぞれの楽しみがあり、子供も大人もともに楽しめる植物だ、なんて思ったりします。

メセナSUN-CLUB学びの森では、小学生対象の自然体験学習会を行っていますが、(このサイトの該当する欄を参照してください)なみ滝藤原園のさんや荘という建物とその周辺を中心として行っています。その建物のそばに石垣がありますが、通称サル山といいます。藤原園内の他のところにもサルトリイバラがありますが、サル山にもあります。サル山だけにサルトリイバラ。なんちゃって。

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