ヒカゲノカズラ

ヒカゲノカズラ花_s

山の陽のあたる場所に生える多年草。(たねんそう・種から芽が出て、花が咲き枯れるまでの一生が2年以上続く植物のこと。多年草は一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)漢字では日陰の蔓と書きます。茎は針金のようで緑色。地面をはうようにして伸びて枝分かれして、白い根を出す特徴があります。茎の周囲には長さ4~6ミリ、幅0.5ミリのとても小さな葉が生えています。また、夏になると右の写真のように白っぽい黄緑色の花が咲きます。(写真は2013年7月撮影)

また、スギのような枝や葉が二股に分かれて伸びる特徴があります。この植物はシダ植物という、シダの仲間の草です。シダ植物は胞子(ほうし)という種にあたるものを出して仲間を増やし、このヒカゲノカズラも胞子を出します。この胞子は、ご存じの方がいるかもしれませんが、オブラート(透明の口に入れるとすぐとける食べ物、というのでしょうか。薬を包んで飲んだり、お菓子の包装で見た方がいるかもしれません)の材料になります。よく見ると海か海岸にある藻(も)のように見えるし、何かの虫に見えるかもしれませんが、これはヒカゲノカズラというシダ植物です。

ちなみに奈良時代に作られた万葉集<まんようしゅう>という歌集に「あしひきの 山かづらかげ ましばにも 得がたきかげを 置きや枯らさむ」(ひかげのかづら、めったに得られないこの草のような君をそのままにしておいて枯らしてもよいのだろうか)という作者不明の恋愛についてつくった短歌があります。昔の人はこのように短歌など歌でそのときの風景や気持ちを表現することがよくあり、恋心など気持ちを伝えたり、会話することもありました。私にはこういうセンスはあると言えませんが、植物を見てきれいだ、おもしろい形だというような気持ちは大切にしたいものです。ちなみにヒカゲノカズラは全体が個性的だが、花は個性的かつ美しいと私は思います。

2013年9月15日に小学生対象の自然体験学習会、同じ月の19日に里山カルチャー教室でこけ玉を作りました。こけ玉とは土をまとめて球にしたものを軍手に詰めて、そこに草花を植えて育てて楽しむものです。小学生も大人の方も思い思いのこけ玉を作りました。私もこの時こけ玉を作り、その中にここに出ているヒカゲノカズラを植えました。(くわしくはこのサイトのホームをごらんください)

 

 

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