ヘクソカズラ

DSC_0277ヘクソカズラ_s

日当たりのよい草地ややぶなどに生えるアカネ科で、つる性の多年草(たねんそう・一生<芽が出て枯れるまで>は2年以上続く植物のこと。一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)。茎がまわりのものにからみついて長くのびます。葉は長さ4~10センチのハート形。8~9月、下の写真のように葉のわきから中心は赤く、まわりは白い花が1か所に複数咲きます。上の写真のように後になる実は丸く、黄色く熟します。(もう1枚ヘクソカズラの実をアップで撮った写真があります。この写真はなみ滝藤原園のさんや荘という建物の近くにある金網の近くで撮りました)

漢字では屁糞蔓と書き、花や葉をもむとくさいにおいがすることからこの名がつきました。それでも花は紅白できれいだと思います。それにしてもなぜくさいにおいがするといえ、屁糞という名がついたんでしょうか。それでもこれも個性ある魅力ある植物と思いますが。

ヘクソカズラの花_sちなみにこのヘクソカズラに関する歌が奈良時代の歌集「万葉集(まんようしゅう)」にあります。

皂萊(さいかち)に延ひおほとれる(はいおおとれる)くそかづら 絶(た)ゆることなく宮仕へ(みやづかえ)せむ

これは高宮王(たかみやのおおきみ)という天皇家の一人が作った歌で、さいかちという木にからみつくくそかづら(ヘクソカズラ)のように、絶えることなく政府に仕えよう、という意味です。ここではヘクソカズラはくだらないものの意味でつかわれており、それに高宮王が自分を重ね合わせています。この歌で高宮王は自分を謙遜しているのでしょうか、それとも本当に自分はくだらない奴と思っていたのかは不明ですが。まあ、何度も言うが、ヘクソカズラはきれいな花をつける魅力的な植物と思いますが。ちなみに花言葉は「誤解を解きたい」。ヘクソカズラの特徴からうなずけそうな気がします。

ヘクソカズラの実_s

 

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