キンモクセイ

キンモクセイ_s

 

 

 

 

 

 

 

 

モクセイ科の常緑樹(じょうりょくじゅ・1年以上枯れない葉を持つ木。冬でも枯れない)。高さは普通4~6メートルですが、大きいものは10メートルを超えることがあります。木の皮はうすい灰色で、葉は長さ6~12センチで細くとがっていて、対生(たいせい・2枚の葉が対になって生えること)しています。漢字では金木犀と書きます。

10月に葉のわきに小さなオレンジ色っぽい黄色い花が多く咲き、独特の強い香りがします。この木は17世紀に中国から渡ってきたといわれ、中国では丹桂といいます。ちなみにこのキンモクセイは雄株(おかぶ・お花が咲く木)と雌株(めかぶ・め花が咲く木)の2種類ありますが、日本には雄株しかなく、実がならないのです。そして、キンモクセイはギンモクセイの変種です。(つまり、ギンモクセイが変化してキンモクセイも出てきた。ある植物が何らかの理由で変異して別の植物になり、その変わった植物が広まるということは結構あるのだ)

 

キンモクセイアップ_s

 

 

 

 

 

 

 

 

この写真はキンモクセイの葉を接近して撮ったものです。秋になるとこれに花が咲き、独特の香りに包まれるでしょう。(人によってはトイレの、トイレの芳香剤みたいだと感じるかもしれません。このことでキンモクセイを知っている方も少なくないのではないか)しかし、この香りもモミジやイチョウのように秋を感じさせるものと思います。

このキンモクセイをよんだ和歌が万葉集(まんようしゅう)という奈良時代の歌集にあります。

黄葉(もみぢ)する時になるらし月人(つきひと)の桂(かつら)の枝の色付く見れば

作者は不明で、紅葉する(木の葉が赤くなる)時期になったらしい。月の中の桂の枝が色づくのを見ると、という意味です。この中の月人の桂がキンモクセイのことといわれ、この歌の作者もキンモクセイの開花に秋を感じたことが読み取れるでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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