ネムノキ

ネムノキ全体_sネムノキ_s

 

 

 

 

 

 

 

 

山野や川岸などに生えるマメ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。高さは6~10メートル。6~7月に右の写真のようにに花が咲きますが、ピンクのケバケバが1つの花、ではありません。小さな花が10~20個集まったものが枝先に集まってこういう形になります。この花は夕方に開く特徴があります。

そして、葉は互生(ごせい・互い違いに生えること)しますが、それ以上に有名と思われる、この木の最大の特徴と思われるのが独特の葉の形です。横にビラビラが何枚もならんでいるのが一枚の葉、ではありません。右の写真を見るとわかると思いますが、ビラビラが集まったものは小葉(しょうよう・1枚の葉を作っているいわゆる葉の小さな組織)で、それが何枚もくっついたものが1枚の葉です。そう思うとネムノキ木の葉はとても大きいと思うでしょうが、大きいのです。このような葉の形を2回羽状複葉(にかいうじょうふくよう)といいます。2回羽状複葉とは1枚の葉が羽根のように広がった形であり、さらに葉を作っている組織がまた羽根のようになっている、つまり2回鳥の羽根のようにビラビラビラ~と分かれている、それが2回羽状複葉です。1回だけ鳥の羽根のようにビラビラ~と分かれている葉は単に羽状複葉といいます。また、知っている方が結構いると思いますが、ネムノキの葉の小葉は夜になると閉じて眠るようになる特徴があります。

花が咲いた後は豆がなり(マメ科だから当たり前か)、中には10~15個の種が入っています。漢字では合歓(ねむ)の木と書きます。ちなみにこの木はなみ滝藤原園の中の池のそばにあります。(この池では釣りをする人が多く、メセナSUN-CLUB学びの森内の行事でいかだをこぐのだ。このサイトのホーム参照)それから、メセナSUN-CLUB学びの森で8月8日~11日(2013年のこと)、キャンプをして、近くの虚空蔵山(こくぞうざん)に登りましたが、参加した人は登る途中にこのネムノキを見たのではないかと思います。

このネムノキを題材にした歌が奈良時代の歌集である万葉集(まんようしゅう)にのっています。大伴家持(おおとものやかもち)という奈良時代の歌人がつくったもので、

わぎも子が形身(かたみ)の合歓木(ねぶ)は花のみに 咲きてけだしく実にならじかも

あなたがこれを自分と思って大切にしてほしい、とくださった合歓木(ネムノキのこと)は、花が咲くばかりで実をつけないのではないでしょうか、という意味です。あなたが私を好きだというのは表面だけで、本当は私のことを大切に思ってくれていないのではないか、という恋人への疑い、もっと愛してという叫び、そんな感じがします。いずれにしろこの二人、男と女の仲がよくないような気がします。まあ、恋愛にはこういうこともあるでしょうが。

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