イカリソウ
太平洋側の山地や林に多いメギ科の多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでの一生が2年以上ある植物。一度枯れても根は生きていて、また芽を出すのだ)。
茎は高さ20~40センチ。4~5月ごろに茎先に赤紫色や白色の花が下に向くように咲きます。葉は3出複葉(さんしゅつふくよう・小葉<しょうよう>という葉を作る葉に見えるがそうではない部分が3枚集まって1枚の葉になったもの。植物によっては葉が何枚あるように見えて、小葉という葉の部分が集まって1枚の葉、というのがあるのだ)の形で、互生(ごせい・葉がたがい違いに生えること)しています。この花は昔から強壮(いわゆる元気が出ること)などの効果がある薬草として知られています。
イカリソウは「碇草」と書き、花の形が船のいかりに似ていることから名づけられました。(下の写真参照)花言葉は「海の彼方へ」。まさにその通りといえる花言葉と思います。稚児(ちご・子供のこと)のようなチゴユリや茎の部分が竹に似ていることから名がついたタケニグサのように別の物や人に似ているからその名がついた草花も少なくありません。あるいは本来の名ではなく、似たものや特徴から自分でその草花に名前をつけるのも面白いかもしれません。子供時代に記憶がある方がいると思いますが、オナモミを「ひっつきもっつき」と呼んで遊んだように。
ちなみに並滝では万葉の植物講座として、万葉集(まんようしゅう)という奈良時代の歌集を通して植物を学び楽しむ行事を行っていますが、これにならいつたないながら歌をひとつ。
イカリソウ 白くかわいい その花に 常日頃ある 怒り静まる