ミゾカクシ
田んぼのあぜや湿地などに生えるキキョウ科の多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでのいわゆる一生が2年以上の植物。一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)。長さは約20センチ。茎が細く、地をはって長くのびる特徴があります。葉は細いだ円形や、針のような形をしていて互生(ごせい・たがいちがいに生えること)します。
6~10月にうすい赤紫色の花が咲きます。写真のように5つに分かれ、横と下に向かって咲くのです。私はこの花をなみ滝藤原園の中の「日本庭園」という庭園の手入れをしているときに見たのですが、下に一見目立たないが、きれいな花が咲いていました。(キッコウハグマみたい。この植物についても同じ里山の植物図鑑で述べています。キッコウハグマの項参照)しかし、ミゾカクシにも毒があるのです。
ちなみにミゾカクシは漢字で書くと溝隠。溝をおおうように繁殖することからこの名がつきました。それにしてもなぜこの植物は下を向いて花が咲くのでしょうか。自分の美しさをひかえめに表現する謙虚さ、といったところでしょうか。そして花は手のひらみたいな形でおもしろいと私は思います。