コシアブラ

 

山地の雑木林やスギ林に生える落葉高木(らくようこうぼく・文字通り時期が来たら葉が落ちる高さの高い木)。

暗い植林の中などでは、高さが2メートルくらいのものもあるが、ブナ林などでは幹も太く、10メートルを超えるものもあります。幹は薄い褐色(かっしょく・黒っぽい茶色、といえばいいかな)ですべすべし、春に枝先に手を合わせたような新芽が出て、葉は小さな葉が5枚集まっているように見えますが、これで1枚(1組と言えばいいかな)の葉です。(小さな葉に見えるものは葉を形成する小葉<しょうよう>という部分で、コシアブラには5枚ある)手のひらのような葉の形なので、こういう葉の形を掌状複葉(しょうじょうふくよう)といいます。(ちなみにタカノツメはこのコシアブラに葉が似ているが、タカノツメは小葉が3枚)葉の柄は10センチを超え、葉は卵形で長さは約20センチ、幅は約10センチです。コシアブラもタカノツメも葉は秋にイチョウのように黄色くなります。(コシアブラもタカノツメも食べられるが、秋の黄色いこれらの葉や、後に書くが、咲く花を見るのもいいと思う)

このコシアブラはタカノツメと同じく、葉についている葉柄(ようへい)という茎のようなものを伸ばして、葉全体が日光に当たるようにしています。(生きるための知恵だ)また、花はヤツデの花に似ています。(コシアブラもヤツデもウコギ科の植物だから当然でしょうか)コシアブラの葉ですが、1枚(小葉5枚組です)をとってその葉の生え口(葉柄の下の部分です)のにおいをかぐと、よいにおい、香りがします。(独特のよい香りと言っておきます。私はこの香りをかいだことがありますが、それでうっとり・・・まぁ、こういうことです)

コシアブラは食べることができ、まだ開ききらない枝先の新芽を取り、天ぷらにしたり、ゆでておひたしにします。ちなみに私はこの天ぷらが好きです。そして、この木から油がとれ、刃物の手入れに使われます。コシアブラという名は、木の樹脂(木から出る油)をこして(ろ過して)、塗料をとったことからつきました。漢字では漉(こ)し油と書きます。(漉<こ>すとは、紙や布で水など液体を不純物(ふじゅんぶつ・ゴミなどのこと)を取り除き、きれいにすること。ろ過である)また、木ははしやようじ、マッチの木の部分などにも加工されます。

ついでに。2014年4月24日、なみ滝藤原園にて里山カルチャー教室として、山菜を採り、山野草について学ぶ「山野草採取」を行いました。藤原園内で自然に親しみ、山菜を採り、学び、山菜料理をいただきました。また、4月26日には同じく里山カルチャー教室として、コンテナガーデンづくりを行いました。先生にコンテナガーデン(小さな花壇と言いましょうか)の作り方を教えていただき、作ってみようというものです。この里山カルチャー教室では草木染め(2013年11月21日に行ったが、ヤシャブシの実で布を染めました)や自然の写真撮影など自然を学び、楽しむいろいろな行事を行っています。くわしくはこのサイトのホーム「一般:里山カルチャー教室」をごらんください。

コシアブラ黄葉_s

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