サンショウ

日が直接当たらない林の中に生える落葉低木(らくようていぼく・文字通り時期が来たら葉が落ちる高さの低い木)。

葉は卵形の小葉(しょうよう・1枚の葉を作る葉の一部。葉に見えるがそうではなく、あくまで一部である)が5~9対つき、さらに先に1枚つき、これで1枚の葉となっています。(こういう葉の形態を専門用語で奇数羽状複葉<きすううじょうふくよう>という。文字通り奇数の小葉が鳥の羽のようになって葉を形作っている。ちなみに小葉が集まって1枚の葉になる形の葉を複葉<ふくよう>という) サンショウというとこの葉を思い浮かべる人が多いと思います。

また、葉は茎に互生(ごせい・たがい違いに生えること)し、葉のつけ根にとげがあることも特徴です。このとげでもサンショウは有名ではないでしょうか。春から夏にかけて多くの黄緑色の小さな花が咲きますが、それ以上に4~5月に出る新しい葉をつみとって、木の芽あえや吸い物など料理に使われることも有名でしょう。春から夏にかけては花をつみ、吸い物や酢の物にそえます。6~8月にかけては実がなり、夏にとった新しい実は青ザンショウと呼ばれ、焼き魚にそえたり、ゆでてあくを抜いてこんぶのつくだ煮に入れたりします。秋には赤く熟した実を採り、粉ザンショウにします。

サンショウと一口に言っても、いろいろな楽しみ方(食べ方)があることがわかります。「サンショウは小粒でもピリリと辛い」という言葉がありますが、辛いだけでなく、小さくても存在感ある食材といえると思います。サンショウは小さな巨人です、なんちゃって。

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