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里山の植物図鑑記事一覧

キランソウ

掲載日:2014年07月03日(木)

キランソウ

 

 

 

 

 

 

 

道ばたや山野に生えるシソ科の多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでのいわゆる一生が2年以上の植物。一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)。地面をはうように横に広がっています。茎や葉には毛が生えていて、葉は対生(たいせい・2枚の葉が対になって生えること)し、ぎざぎざがあります。

3~5月に写真のように紫色の小さな花が咲きます。この草は漢字で金瘡小草と書き、またの名はジゴクノカマノフタ。何かすごい別名ですが、薬草として知られ、地獄にふたをして、病人をこの世に戻すほど効き目があるといわれることからこう呼ばれています。切り傷や胃腸にききます。この草の花言葉は「健康をあなたへ」。うなずけますね。

写真は2014年4月下旬に撮ったものです。花が集まって咲いているからか、きれいと思いました。そして、キランソウは大きくなく、目立つような草ではないでしょうが、花はきれいで、薬草としても知られる。まさにキランソウは小さな巨人です、なんちゃって。

キキョウソウ

掲載日:2014年07月03日(木)

キキョウソウ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日当たりのよい道ばたや草地などの乾いた場に生えるキキョウ科の1年草(いちねんそう・芽が出て枯れるまでの期間が1年未満の植物)。北アメリカが原産の帰化植物。

高さ30~80センチの細い茎で、5~7月にキキョウのような紫色の花が咲きます。(キキョウもこの里山の植物図鑑で紹介しています)ただ、写真のようにキキョウより小さい花です。また、葉はキキョウは細長い卵形なのに対し、このキキョウソウは丸っこい形です。そしてこのキキョウソウ、漢字では桔梗草と書きます。そのまんまですね。花言葉はやさしい愛。ちなみにキキョウの花言葉は変わらぬ愛。どうやらキキョウには愛が似合うようです。

写真はなみ滝藤原園内の「果樹園」で撮りました。ここには自然体験学習会に参加した小学生たちが果樹を植えています。この果樹が大きくなって、立派な実をつけるのを楽しみにしていますが、ここにはキキョウソウのようにいろいろな草花も生え、それを見るのも楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リョウブ

掲載日:2014年06月05日(木)

リョウブ

リョウブアップ

 

リョウブアップ2

 

 

 

 

 

 

 

リョウブ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。高さは8~10メートル。枝先にたくさんつく葉は8~13センチと結構大きいです。(葉のアップの写真参照。横幅は太くも細くもない、まあ人間で言えば中肉中背?この葉は互生(ごせい・たがいちがいに生えること)しています)この写真を撮ったのは2014年の初夏ですが、7~9月に、夏に入ると小さい白い花が多く集まって咲きます。私の感想ですが、この花も楽しみです。花の後は毛の生えた茶色い実がなります。

そして、この木の大きな特徴と私が思うのは、皮の部分です。うすくなってはがれて写真のようにまだら模様です。リョウブといえばこの木の皮、と言ってもいいかもしれません。(この皮の様子、兵隊が着るような服の迷彩模様と思えるのは私だけでしょうか。色は緑ではないが、そんな気がします。なみ滝藤原園にはリョウブの木が多く見られます)

また、生えたての葉は採って水洗いしておひたしや天ぷらなどにして食べることができます。ご飯にゆでて水にさらしてきざんだリョウブをまぜて、「リョウブめし」として食べることもあります。このリョウブめし、昔飢きん(ききん・災害などで農作物が取れなくなり、飢えたりそれで死んだりすることである)の時に食べられていたということです。ただ、リョウブは食べすぎると下痢のおそれがあるので、ほどほどに。

 

 

 

 

 

 

ノダフジ

掲載日:2014年05月28日(水)

ノダフジ

 

 

 

 

 

 

 

マメ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。山にも生えたり、フジ棚に見られるように庭づくりに植えられることもある、我々の目を楽しませてくれる有名な木です。

フジはツルを伸ばして他の木に巻き付いてのびますが、このノダフジは右巻きに巻き付いて、同じフジの仲間であるヤマフジは左巻きに巻き付きます。(ヤマフジもこの里山の植物図鑑で紹介しています)春から初夏にかけて写真のように紫色のぶどうみたいな紫色の花が咲きます。ヤマフジも同じ時期に紫色の花が咲きますが、ヤマフジは全体的に丸っこい感じですが、ノダフジはヤナギの感じ?に垂れ下がって咲きます。花の後はマメ科の通り、スーパーで見る豆みたいな実ができて、秋に茶色く熟します。

さらに、このフジは葉も特徴ある形をしています。小さな葉がたくさんあるように見えますが、実はこの「小さな葉」が集まったものが1枚の葉です。フジの1枚の葉は葉の組織?というのでしょうか。そんな小さな葉が奇数枚鳥の羽根のように集まって1枚の葉になっています。こういう葉の形を「奇数羽状複葉(きすううじょうふくよう)」といいます。ちなみにネムノキの葉もフジみたいな葉です。ネムノキも里山の植物図鑑で紹介しているので、ご覧ください。フジの花は天ぷらにしたり、ゆでてあえ物や酢の物にして、生えたての葉も天ぷらやいため物にして食べることができます。なみ滝藤原園にはフジがたくさん生えていますが、花言葉は「歓迎」で、その通り咲く様子は来る人を歓迎するようだと私は思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

ナガミヒナゲシ

掲載日:2014年05月28日(水)

ナガミヒナゲシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ケシ科の1年草(いちねんそう・芽が出て枯れるまでの期間が1年未満の植物)。野原や荒れ地、河原などに生えるヨーロッパ原産の花。茎は高さ20~60センチで、全体に毛が生えています。4~5月に直径3~6センチのオレンジ色の花が咲きます。写真のように地面のごく近くに裂け目の多い葉が生え、その上にオレンジ色のかわいい、きれいな花が咲きます。漢字で書くと長実雛罌粟で、花の後はその名の通り細長い実ができます。

写真はなみ滝藤原園内の畑で撮影したものです。私は畑で作業をする時、この花を見ながらしていますが、きれいな花と思います。他にもいろいろ草花が畑の中にあり、作業をしながら楽しんでいます。(この畑に他にもホトケノザやカワラケツメイ、クズなどがあります。名まえをあげたものはこの里山の植物図鑑で紹介しています)畑といえば、2014年5月18日、自然体験学習会でサツマイモの苗植えをしました。参加した小学生たちが苗を植えて水をやりました。最初に苗の植え方を教えてもらい、みんなで苗植え。このサツマイモの苗植えは毎年自然体験学習会でしていますが、今年も秋になってたくさんイモができてほしいと思います。

 

スイバ

掲載日:2014年05月20日(火)

スイバ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山野や草地などいろいろな所に生えるタデ科の多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでのいわゆる一生が2年以上の植物。一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)。高さは30センチ~1メートル。根の近くから細長い5~15センチの三角形の葉が出ています。5~8月になると緑や赤茶色の花が咲きます。写真は藤原園にあるスイバですが、この草をいろいろな所で見た方が結構いるのではないかと思います。

春に生えたての葉や茎をゆでて水にさらし、おひたしやあえ物、煮物にして食べます。また、実際にした方がいると思いますが、伸びたての茎の皮をむいて、生のものをかじることもできます。ただし、シュウ酸という物質を含んでいるので、多く食べるのは控えましょう。

スイバは酸い葉と書き、その名の通り茎や葉がシュウ酸を多く含んでいるのですっぱいです。これはスカンポという呼び名でも知られています。ちなみにこの草の花言葉は「私を食べてみて」しかし、私もスイバを生でかじったことがありますが、私はこれは好きではありません…

 

 

 

 

 

 

 

 

オオシマザクラ

掲載日:2014年05月20日(火)

オオシマザクラ

 

 

 

 

 

 

 

 

オオシマザクラアップ

オオシマザクラ実

 

 

 

 

 

 

 

 

バラ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。いわゆるサクラの仲間で、伊豆半島や房総半島で昔、栽培された木です。漢字では大島桜。高さは8~10メートル。葉はぎざぎざのある卵形。3月の終わりごろから4月のはじめごろにかけて、新しい葉が生えるとともに香りのある白い花が写真(花のアップを参照)のように数個かたまって咲きます。その後黒っぽい紫色の実がなります。写真にある実は2014年5月に撮ったもので、まだなりたてで赤い色ですがこれが熟して紫に変わります。

この木は潮風に強いので防風のため植えられたり、葉は塩漬けにして桜餅を包むために使われます。桜餅の方が有名と思います。藤原園にはこのオオシマザクラの他、ソメイヨシノ、ヤマザクラ、ヤエザクラ、ウワミズザクラといろいろな種類のサクラの木が立っています。私は春になるとこれらサクラを見比べて楽しんでいますが、オオシマザクラはきれいな白い花、ヤエザクラは濃い桃色で丸々した形の花、ソメイヨシノやヤマザクラは桃色の花、ウワミズザクラは猫じゃらしの形の花がそれぞれ魅力的と思います。そして花の時期が終わった後も緑の葉桜がきれいと思います。みなさんはいかがでしょうか。

 

ザイフリボク

掲載日:2014年05月14日(水)

DSC_0050

 

 

 

 

 

 

山に生えている、高さ約10メートルになるバラ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。葉は互生(ごせい・たがいちがいに生えること)し、長さ5~7センチのだ円形をしています。そして、それ以上に印象的なのは4~5月に咲く白い花ではないでしょうか。枝先に集まって咲きます。

ザイフリボクは「采振り木」と書き、ザイとは采配(さいはい・戦国時代、武将が兵士に指揮するために振る先にひらひらのついた棒のこと。采配を振るうという言葉で知られているのではないでしょうか。そういえばテレビドラマ「軍師官兵衛」にも采配が出てきたかもしれません)のことです。よく見れば白い花は采配の先のひらひらを思わせます。

そして、この木はまたの名をシデザクラといいます。咲く花はいわゆるサクラ(ソメイヨシノ、オオシマザクラなど)によく似ているのではないでしょうか。まあ、いわゆるサクラと同じバラ科だから当然でしょうが。

 

 

ツクシ

掲載日:2014年05月14日(水)

ツクシとスギナ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

トクサ科の多年草(たねんそう・芽が出て枯れるまでのいわゆる一生が2年以上の植物。一度枯れても根は生きていてまた芽を出す)。野原や畑などいろいろな所に生える有名な春の植物、山菜です。春にまずツクシが生え、ツクシが枯れた時にツクシと同じ地下茎(ちかけい・地下-土の中にある茎のこと。根みたいに見えるが茎である)からスギナが生えてきます。ツクシが胞子(ほうし)を出して、そこからスギナが出てきます。そのスギナは来年の春に生えるツクシの栄養源になり、これが「ツクシ誰の子スギナの子」という言葉の意味です。この写真では2本のツクシの間に緑のスギナがあります。周囲にもスギナがあります。

ツクシの先の部分(ここから胞子が出てくるのだ。胞子とは種にあたるもので、ツクシは胞子で仲間を増やすのである)や茎の途中についているひらひら、というのかな?そういう部分である「はかま」を取り除き、ゆでて水にさらし、おひたしや煮物などにしていただきます。出たばかりのツクシなら先の部分もやわらかいので食べられます。また、スギナは乾燥させてお茶にします。

お茶について触れたのでついでに。2014年5月22日になみ滝藤原園にて、里山カルチャー教室として、山野草茶づくりを行いました。藤原園内に生えている山野草を合わせてお茶を作り、味わってみよう、というものです。お茶にある体によい効果について知りながら、山野草ならではの味を味わおうという行事です。他にもこの里山カルチャー教室では草木染めや山菜採りをしてそれを味わうなど、里山ならではの行事を行っています。自然や植物に興味のある方、行事で何かを体験してみたい方、お待ちしております。くわしくはこのサイトのホームにある「一般:里山カルチャー教室」をごらんください。

 

 

 

ニシキギ

掲載日:2013年12月28日(土)

ニシキギ_s

 

 

 

 

 

 

 

山野に生えるニシキギ科の落葉樹(らくようじゅ・毎年葉が枯れて、一定期間休眠する<といっても春にまた花や葉がつくように栄養や力をためているのである>木のこと)。高さは2~3メートルですが、高いものでは5メートルになるものもあります。漢字で書くと錦木。秋になるとカエデのように葉が赤くなり、その美しさが錦みたいということでこの名がつきました。(錦<にしき>は絹織物の一種で、美しいことで知られています。一般にいろんな美しいものをこの絹織物にたとえて錦と表現していることはごぞんじの方が多いと思います。故郷に錦を飾る、というように)

葉は対生(たいせい・2枚の葉が対になって生えること)し、長さ2~7センチの卵形や先のとがった針みたいな形で、ふちには細かいぎざぎざがあります。5~6月に、葉のわきから小さな黄緑色の花が複数咲きます。そして秋には赤い実がなります。この木の大きな特徴は枝に材質がコルクみたいな羽根、というのでしょうか、そんな感じのひらひらがついていることです。さらに先に書いた秋になると葉が赤くなることも大きな特徴です。私も秋にニシキギの紅葉を見ましたが、カエデみたいにきれいです。そして、枝に羽根みたいなひらひらが生えている特徴は見るとすぐ覚えるのではないでしょうか、そんな特徴ある、個性的な木と思います。

写真は初夏に撮ったものですが、この木も羽根の生えた特長ある姿、黄緑色の花、紅葉といろんな姿を季節ごとに見せてくれます。写真のニシキギはなみ滝藤原園内のさんや荘という建物のそばに生えています。

写真と言ったのでついでに。私はなみ滝藤原園でいろいろ仕事をしていますが、その間にこうして園内の草木などの写真を撮っています。撮るたびに季節ごとの草木の姿や風景を見て楽しんでいます。2014年3月27日にメセナSUN-CLUB学びの森は藤原園で里山カルチャー教室として、風景と植物の写真撮影講座を行いました。参加者の方々が写真家の方に植物の写真の撮り方を教えていただき、藤原園内のいろいろな草花の写真を撮りました。この日は春になったということで、園内の咲いた花や生えたての葉を見て楽しみました。この里山カルチャー教室では草木染め(2013年11月21日に行ったが、ヤシャブシの実で布を染めました)や正月の飾りづくりなど自然を学び、楽しむいろいろな行事を行っています。くわしくはこのサイトのホーム「一般:里山カルチャー教室」をごらんください。